楽しくないブログ

Googleの検索結果に表示される犯罪歴の削除を求める請求が地方裁判所に棄却される

Googleで検索を行うと結果に自身の犯罪歴が表示されてしまうのは名誉を毀損していると訴えた裁判で、京都地裁は訴えを全面的に退ける判決を出した。

逮捕歴表示差し止め請求を棄却
http://www.daily.co.jp/society/national/2014/09/17/0007338242.shtml

 京都市の40代の男性が、検索サイト「グーグル」に自分の名前を入力すると、過去の逮捕記事が示され名誉を傷つけられているとして、米グーグルの日本法人(東京)に、検索結果の表示差し止めと慰謝料など1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、京都地裁は17日、請求を棄却した。

 男性はヤフー(東京)にも同様の訴訟を起こしたが、京都地裁は8月に請求を棄却。男性は大阪高裁に控訴した。

 判決理由で堀内照美裁判長は「サイトの管理運営の主体はグーグルの米国法人」と指摘。「日本法人に検索結果の監督義務や表示阻止義務を生じさせる法律上の根拠を認めることはできない」と判断した。


タイトルだけでは誤解しやすいのはマスコミの常套手段だが、検索結果を表示させることが名誉毀損に当たらない、という判決が出たわけでは無い。あくまで「Google日本法人は検索結果の監督義務はない。訴えるなら米国法人」という判決が出ただけである。
元々Googleを始めとした検索エンジンが、検索結果に名誉毀損情報が取得された際に情報を消す義務があるかは判決が分かれている。

サジェスト汚染は名誉棄損に当たらないという判決が出る - 楽しくないブログ
http://nvmzaq.blog.fc2.com/blog-entry-99.html

サジェスト汚染は名誉棄損と認めた裁判でグーグルが控訴 - 楽しくないブログ
http://nvmzaq.blog.fc2.com/blog-entry-110.html

一審でサジェスト汚染の名誉毀損を認めた裁判で二審で一転認めないという判決が出る - 楽しくないブログ
http://nvmzaq.blog.fc2.com/blog-entry-275.html

報道されているだけでも片や名誉毀損、片や棄却と、裁判官の趣味によって分かれている。常識的に考えてサイトの運営主が表示している情報なので、当たり前に名誉毀損が妥当なのだが、これを認めてしまうと何でもかんでも削除依頼の応酬となり、事実上ネット検索ではネガティブな情報は全て掲載できなくなってしまう。実際、海外では検索結果を名誉毀損のまま放置するのは違法だと判決が下った直後、Googleに削除依頼が殺到するという騒動も起きている。

Google検索に個人情報リンク削除リクエストが殺到, EU司法裁判所は藪をつついて巨大怪獣を出した
http://jp.techcrunch.com/2014/05/16/20140515google-gets-new-requests-to-be-forgotten-following-ruling-plans-request-mechanism-for-germany/

ヨーロッパの司法裁判所があるスペイン人からの苦情を受理して、彼の名前と資産喪失に関する記事のリンクを検索結果から取り去るよう裁定して以来、この、“デジタルの世界で忘れられたい”という要望がGoogleに殺到し始めている。これらのリクエストすべてにまともに対応することは、Googleにとってたいへんな負荷になるから、もちろん嬉しいことではない。ことの発端となったスペイン人からのささやかなリクエストは、その後起きることの、いわば先例となってしまったのだ。

削除要求の例としては、たとえば、再選を望んでいる元政治家が、オフィスにおける彼の悪行に関する記事のリンクが、彼の名前による検索では出てこないことを求めている。またある医師は、患者からのネガティブなリビューが、やはり彼の名前では現れないことを求めている。児童性愛で有罪になった人が、彼が児童虐待の画像を保有していたなどの詳細判決文の、取り下げを求めている。


これを認めてしまうことは、Googleに情報の検閲を推奨してしまうことに他ならない。犯罪歴はプライバシーにあたる一方で、当時報道された事実が消されることは避けなければならず、落としどころが難しい。逆SEOやサジェスト汚染といったネット情報の意図的な汚染は論外として、正しい情報を短時間で取得できるネット環境を目指すべきなのは変わらない。名誉毀損であっても削除しないのが理想なのだが、これが相反するわけだ。インターネットという性質上、過去に起きた事件の犯人情報等も、基本的には容易に検索できるべきである。
このような少し考えただけでも課題が山積みである問題に対して、答えを出すのは非常に難儀である。裁判官の堀内照美氏は、こういった複雑な問題に対して判決を出したくなかっただけに思える。結局日本の判例主義にのっとり、誰が貧乏くじを引くか状態なわけだ。堀内照美氏にとってはとにかく判断したくない裁判であるため、まるで責任転嫁するかのような逃げの判決を出したことが推測される。 このエントリーをはてなブックマークに追加

コメント

やがて誰もコメントをつけなくなりましたとさ
でめたしでめたし

  • 2014/09/19(金) 15:39:09 |
  • URL |
  • #-
  • [ 編集 ]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://nvmzaq.blog.fc2.com/tb.php/393-0968bea5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad